8月の心学読書会で取り上げた「身体の聲」の中にこんな記述がありました。
オリンピック陸上で世界記録を出したウサイン・ボルト。
彼は、脊柱側弯症で左右の足の長さが、3~4センチ違うのだそうです。
世間の一般的な見方からすれば、そうした「ハンデ」を抱えながらも世界記録を出したのは、すごいことだと賞賛されます。
しかし、本人からすると左右非対称だったからこそ、結果が出たのだと周囲に話しているそうです。
このズレとは、一体何でしょうね?
自分などもそうですが、人は左右対称のシンメトリーを善しとし、非対称のアシンメトリーを欠陥やハンデと捉えがちです。
要は、まんまるよりも欠けたまるに違和感を感じる。
しかし、それはもしかすると我々の思い込みでしかないかもしれないですね。
もしも、ボルト選手が左右非対称の足を欠陥と思い込んでいたら、どうなったでしょう?
絶対に世界記録なんて出せなかったはずです。
実際には、ボルト選手は自分自身の感覚を信じたわけですから、それが正解だったのです。
周りの誰もが良しとすることが、自分にとっては正解かというと世の中そうではないという典型なのかもしれません。
世間の正解を追い求めて素の自分の強みを矯正してやいないかどうか?
そんなところを自省してみるのも大いに価値があるのでしょう。
頭だけで考えるよりも全体の五感を総動員した感覚を信じることが、何より大切なのだと思いました。
そういえば、ある小説の中で美容整形外科医が、こんなことを言っていました。
左右対称の美顔としてしまえば、逆に敬遠されるそうです。
敢えて左右非対称に顔のバランスを崩したほうが、かえって親しみを持たれ、モテるそうですよ(笑)
シンメトリーはあくまで幻想的な理想に過ぎず、アシンメトリーのほうが人間にとっては現実に強味になるのでしょう。
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