浪人時代。ある予備校講師がこんなことを言っていた。
「私の授業では、無理もさせます。無駄もさせます。なぜなら、それくらいやらなければ受からないからですよ。」
効率よく、無駄なく合格へ導いていくれることを念願していた自分にとっては、逆にどこか響く言葉だった。
だからこそ、数十年後の自分の記憶にしっかりとこの言葉が刻まれている。
社会人となり、働くようになって見えてくることがある。
仕事の現場では、総合的な人間力が問われるということだ。
この場合の人間力とは何だろう?
それは、無理も無駄もおかまいなくやってしまう力を指すと考えている。
人生に無駄はないとよく言われる。
ところが、目の前に不都合なことや嫌な現実が生じれば、途端にその言葉はどこかに追いやられ、不平や不満が燻りだし、言い訳がはじまる。
でも、本当はわかっているのだ。
無理そうなことや無駄に思えることを誠心誠意やっていくことが、徳なのだと。
そして、そうした徳の蓄積が、繁盛の礎になるということも。
人生の繁盛と商売の繁盛が、同じベクトルに向かう時代になっていくことが予想される。
力があるとされてきたものは衰退し、逆に個の力が存分に発揮できる令和時代になることが、予定されている。
組織よりも個の力が問われる時代。
人間として問われる総合力を深めていけるような、そんな善き時代に入っていると僕は確信している。
無理も無駄もとことんまでやっていきましょう。
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